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呼吸をコントロールする、ヨガの神秘性。


先日、mariお姉様が持ってきてくださったDVDで、
「人間がイルカになる日」という特集を見ました。

その中では、素潜りの選手が登場し、彼らが人間の枠組みを、
遙かに超えた人体に進化していることなどを
医学的な角度からとりあげていました。

番組で取り上げられていた内容を、HPで見つけたので、
ご紹介します。

人間がイルカになる日
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1998/03/01  報告 報告者:吉川 美佐、マイケル高田、鷹木慎之介、片山 健

1952年、イタリア人のレイモンド・プッシャーは、フリーダイビング(素潜り)を行い、水深39mという大記録を達成した。そしてさらなる記録の更新が期待されたが、彼の目の前に思わぬ障害が立ちはだかった。なんと、当時の医学界がこの競技に猛反対し始めたのだ。その反対派の代表である、フランスの生理学者ガバロウによれば、これ以上の深さを目標にフリーダイビングを行った場合、確実に肉体上の障害を招き、最悪の場合死亡する可能性があるというのだ。

我々は普段、大気から圧力を受けているが、特に水中では、10m潜るごとに1気圧ずつ圧力が増大する。このため、フリーダイビングで深い場所へ潜った場合、それにともなって圧力が増大し、人の肺も変形してしまう。人間の肺の大きさは、いくら大きく息を吸い込んだとしても約5リットル程度であるが、例えば水深40mの状態では、気圧のため肺が押しつぶされ、平常時の3分の1程度、1.5リットル程度まで圧縮されるのだ。そうなれば、十分な酸素をいえる。それゆえ当時の医学界は、「水深40m、潜水時間3分を越えれば確実に死ぬ」という結論に至り、フリーダイビングの競技禁止を訴えたのだ。

しかし、なんと驚くべきことに、1996年にサルディニア島でイタリア人のウンベルト・ペリッツァーリが、フリーダイビング水深 131mという世界新記録の達成に成功したのだ。彼は、身体を自然な状態に保つため、頭からではなく、立った状態で潜るスタイルを採用した。30kgのおもりと共に秒速1.5mの速度で潜り、潜水から2分3秒後に水深131mに到達、合計3分32秒という時間で生還したのだ。では、一体なぜベリッツァーリは、このような驚異的な記録を成し遂げることができたのだろうか?

和漢薬研究所の栗原久博士によれば、ペリッツァーリは、人体の各部分の酸素消費量を意識的にカットする方法を会得している可能性があるという。彼は日頃から、意図的に筋肉のつきやすい肉食を避けた食生活を心がけ、日々のトレーニングでも必要以上の筋肉をつけないようにしているという。また、競技を行う3日前からは、野菜やフルーツだけしか摂取しないようにしているという。それにより、筋肉と内臓の酸素消費をカットしているというのだ。また、「プラナヤマ」という、身体をリラックスさせ心臓の鼓動を安定させる呼吸法を併せて行うことで、全身の酸素消費量を抑え、肉体をより深海に適した状態に変化させているという。

さらに、これらの状態では、「ブラッドシフト現象」が体の中で起こっている可能性があるという。「ブラッドシフト現象」とは、イルカなどの水棲ほ乳類が水圧の変化に対して、脳・心臓・肺・肝臓など生命に重要な臓器だけに血液を循環させることのできる現象をいう。ペリッツァーリの体内では、イルカやクジラなどの水棲哺乳類に近い現象が起きていると考えられるのだ。 

(抜粋終了)


呼吸をコントロールする、ヨガの神秘性。_b0023052_21162346.jpg
ペリッツァーリは、ヨガの呼吸法をしていて、
酸素消費量と精神をコントロールしているということでしたが、
血流までコントロールできてしまうというのは、
驚異でした。

少し前にマイミクさんの日記で紹介されていた、
ジャックマイヨールの記事も、
合わせてご紹介させていただきます。



河合隼雄+村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』(新潮文庫) p164

河合:このあいだ映画の『ガイアシンフォニー(地球交響曲)』というのをつくられた監督の龍村仁さんとお話したのですが、その龍村さんが、ジャック・マイヨールという、海に100メートルも潜る人に、会いに行ったんですね。
 
 それで、マイヨールに「どうして潜るんですか?」といったら、「自分はイルカになる」と言う。それで座って瞑想しているのですね。マイヨールさんは、体力がむちゃくちゃに強いというわけではないんですよ。ふつうのおじさんみたいな人です。ところが、瞑想しているうちにイルカになるのですね。「自分はイルカになった!」と思ったときに潜るんです。そして、ずっと100メートルも素潜りで、なにも付けないで行ってしまう。(中略)

 そうすると、100メートルも潜ると心拍が1分間20になるという。もちろん呼吸はしてませんわね。そして血の流れが変わるんですって。そのときは血が心臓と脳を大事にするようにそちらのほうに向かって流れるように変わるんです。だから脳も心臓もやられないという。

(引用終わり)



個人的には、非常に興味深い世界です。
by ami-cosmo | 2006-06-04 23:58 | 東洋哲学