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弟の命を救った、10歳の女の子


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システム:人間の身体さんからメールでお知らせ頂いた、
とても自己犠牲の精神を持った女の子のお話。
この出来事、素焼きであるものの日記でも拝見しました。

とっさの時、アリアナさんのような行動が
どれだけとれるだろうか、とわたしも考えさせられました。

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米国カリフォルニア州とネバダ州の境にあるタホ湖(海抜1900メートルに位置しながら世界第3位の深度と世界有数の透明度で知られる)で週末を過ごそうとして出発した家族5人を乗せたバンが国道395号線を走っていた。カリフォルニア州インディペンデンス付近に差し掛かったとき、ドライバーがハンドル操作を誤り、右側の路肩に乗り上げてしまった。


すぐに左へとハンドルを切り直したが、ハンドルの切角が大きすぎた。車体が左右方向に振られ、助手席側に横転。その状態で60メートル以上も路面を滑走して、ようやく停止した。典型的な横転事故だった。

車両が左右どちらかに横転して路面を滑走する場合、車内では、どのようなことが起きるだろうか?

* 車内に置かれていたあらゆる物が重力に従い、路面側に落下。

* シートベルトを着用していた乗員は、テンショナー機構が正常に作動する限り、シートに体を固定された状態になる。だが、シートベルトをしていなかった乗員は、路面側に落下。

* 路面側の窓が閉められていたとしても、衝撃でガラスが割れる。つまり、路面側に落下した物や乗員は、路面との激しい摩擦に直接さらされることになる。路面に引っかかって車外に投げ出される可能性も高い。



さて、7月15日の午前8時40分に横転事故を起こした上記のバンの後部座席には、10歳の少女アリアナ・マステンさんと2歳の弟マシューちゃんが乗っていた。

アリアナさんによると、事故の少し前、マシューちゃんは自分の座席(おそらくチャイルドシート)から抜け出そうとして、シートベルトを外してしまっていた。そんなときに、バンが路肩に乗り上げた。路肩から車線に戻ったものの、車体がバランスを失い、みるみる助手席側に傾いていく。

このままでは弟が振り飛ばされてしまう。そう思ったアリアナさんは、とっさに自分のシートベルトを外し、マシューちゃんを両手で抱きかかえる姿勢を取った。

バンが完全に横転して、路面を滑走し始めたとき、シートベルトをしていない二人は横転側に落下し、路面との激しい摩擦にさらされることになった。

アリアナさんは言う。「私と弟は(路面側に)振り落とされました。(路面と車体の間では)ものすごい火花が起きていました。弟の体が路面に擦れないようにと、必死で弟を抱きかかえていました」

激しく飛び散る火花。悲鳴。まるで、ピントの定まらないスローモーション映像を見ているかのようだった。アリアナさんは、自分の左腕が路面との摩擦にもろにさらされていることに気づいていなかった。

やがて、横転した車体の滑走は終わった。弟マシューちゃんは、車外に投げ出されることなく、アリアナさんのそばにいた。彼女は、その極限状況の中で弟を守り通すことに成功したのだった。

「助かった」と感じたとき、アリアナさんは、自分の左腕の肘から下が消えてしまっていることにまだ気づいてなかった。だが、ふと自分の体の左側に目をやると、あるべきものが無くなっていた。

アリアナさんとマシューちゃんは、カリフォルニアのアローヘッド地域医療センターに運ばれた。アリアナさんの左腕は、路面との激しい摩擦によって肘から先が切断されてしまった(削り取られてしまったというべきかもしれない)ので、再接合できる状態ではなかった。

マシューちゃんは、主として路面との摩擦のために重傷を負っていた。だが、姉が左腕を犠牲にしてくれたおかげで、命に別状はない。

二人の父リチャード・マステンさん(30歳)は、こう話す。「自分の左腕を犠牲にして弟の命を救ったアリアナは、私にとって小さなヒーローです」

左腕をなくした直後はさすがにショックを受けていたアリアナさんだが、彼女はとても前向きで活発な少女。ソフトボールチームに所属していてキャッチャーをしていた。キャッチャーなら片手だけでも続けられると信じている。

音楽も好きで、クラリネットを習っていた。さすがに片手ではクラリネットを吹くことができない。でも、これからはドラムを習うつもりだと話している。ドラムなら片手でも、なんとかなると信じている。

それにしても、よくぞとっさに正しい判断が出来たものだと思う。むろん、自分はシートベルトを着用したまま事故の衝撃に耐えるというオプションもあった。だが、その場合は、自分は無傷でいる可能性が高いとしても、すでにシートベルトを外していた弟を見殺しにする危険があった。

いみじくもアリアナさんは、こう話している。「弟が死んでしまうくらいなら、自分の片腕を失った方がましだもの」

なんとも、けなげな少女である。

なお、下記のソース記事に左腕を失ったアリアナさんの写真がある。記事ページの写真をクリックすると、さらに高解像度の写真が表示されるようになっている。可憐な少女である。肘の傷跡はもうだいぶ癒えていて新しい皮膚で覆われているが、とても痛ましい。


■ Source

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by ami-cosmo | 2006-08-09 21:28 | 近況・日常