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水の中の八月


水の中の八月、がついたタイトルで、前回日記を書いたためか、
足跡から伺った中に、レビューを書いている方が。


すごーくあの世界を深く捉えていらっしゃるなと思います。
お盆の度に、ご覧になっているのですね。

わたしは、主人公の女の子が、
プールの大会の事故で臨死体験をした後に、
体の一部分を見ていると、粒々になっていく、とか、
木に抱きつきたくなる、という表現が、
とても共感できて、すきでした。


水の中の八月 HP

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(レビューより転載)


あ、ノベライズされてるんだ、この映画。
でも、書きたいのは石井 聡亙監督作品の
映画『水の中の八月』について。

話は単純にいえば、
ひとり女の子が水不足の街を救う、
ってなもんで、詳しくは「詳細を見る」にある、
アマゾンのレビューどおり。
宇宙からの隕石がどうの、
古代文明がどうの、と、ちょっとSFだ。

しかし、SFはSFでも、
サイエンスフィクションというよりも、
藤子不二雄が言うところの
「すこしふしぎ」に近いのだろうか。

でもこの映画の味わいどころは、
話としてのその結論、ではないだろう。

劇中の音楽もそうだが、
映像そのものが、まずアンビエント。
さまざまな「水」と「夏」の光景が、
すこしふしぎな話を彩る。
雨、プール、水しぶき、ゆれるミナモ、
嵐、祭、蝉の音、暑さ、ひと夏の出来事。

うるさすぎない演技・演出はもとより、
博多弁や商店街、古くからの慣習、
高校生によくあるセンチメントに、
この作品がSFであることを時々忘れてしまう。

タイトルに「八月」があるから、
というわけではないが、この作品を
僕は毎年「盆休み」にレンタルして観てる。
来年も見たら、おそらくそれは、
記念すべき10回目で、恥ずかしいけど、
10年も同じシーンで泣くことになる。
好きな女の子の喪失をきっかけに、
古代遺跡とそのエネルギーについて、
少年がおじいちゃんになるまで
研究をしつづけた、って、
とんでもない話でもあるのに!

ひとりの女の子が自分と引き換えに、
水不足とふしぎな病気を治めることは、
シャーマニズムやアニミズムの体を成し、
劇中でインサートされる博多の夏の祭りの
由来と重ねられている。
映画の設定なんて、つくりもので
実在しないわけだから、いまでも
毎年行われているだろうこの祭りが、
逆に「信仰のようなもの」が
身近であることを浮き彫りにする。

沖縄やインドや
ネイティブアメリカンの地まで、
行かなくてもいい。
じいちゃんやばあちゃんや
なにしろ先祖が家に帰ってくるわーって
思いふけるお盆に、この映画を観るだけで、
大切にしたい夏の情景や感覚、
イメージを一気に味わえる。俺は。

福岡で大規模なオーディションを行い、
地元に縁深い人々がたくさん出てると聞く。
いろんな街が「地元映画」を
つくっているだろうが、
博多というネタの消化と、そのドラマへの昇華。
石井聡亙監督のフクヨカなる福岡への愛に、
名古屋駅がガメラに出た!と喜ぶ僕から星五つ。

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by ami-cosmo | 2006-08-15 07:59 | 意識の拡大